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上顎洞癌になった日から。

若くして上顎洞癌(じょうがくどうがん)という難病になってしまった妻をもつ夫の記録です。 この難病を生活の質を保ちつつどう治療し、克服するのか?この体験記を通じて同じ病気になった人への生きるヒントになれればと思います。

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  • 05/19/04:16

念には念を。

7月11日。妻の抗がん剤治療は2クールの4日目を迎えた。
今後の治療法について、一番理想としているは『粒子線治療』+『動注化学療法』との併用療法だが、もし万が一それが叶わなかった場合に備えて、その他の治療についても準備が必要だと考えていた。
「放射線治療での根治は難しい」と、どの放射線科医も言うのであれば、外科手術を選択するしかない。
私はQOLにこだわるあまり、一番大切な『生きる』ことを諦めたくはなかった。
ならば、外科手術を行ったとしても極力QOLを保てる方法を考えるしかないのである。

現在治療中のこの『がんセンター』は、外科手術の症例数も多く、その腕前も申し分ないと思う。
しかし、QOLを含めて考えるならばもっと他に選択できる治療が必要だった。
というのも、以前担当医に外科手術をするとした場合の選択肢の一つとして、QOLを重視した外科的手術ができないか聞いた事があった。
術前放射や動注などの化学療法で腫瘍を縮小させ、切除範囲を狭めることによって温存範囲を増やせないかと提案してみたが、例え腫瘍が大きく縮小しようが、初めからの切除範囲は変更しないとの答えだった。
それは、腫瘍が縮小したことによって、余分に切除できる範囲が広がったと判断し、より根治性を高めるためだという。

つまり、ここではどう治療しようが、結局は顔面半分を大きく変形させるような外科手術は避けれないということを意味していた。
しかも、当初は眼球は温存できるだろうという話だったが、いつの間にか「外科手術中の判断によって眼球も摘出する可能性がある」との見解に変わっていた。
もしかしたら、始めからそのつもりだったが、最初からそう言ってしまうと外科手術を拒否される可能性が高いと判断して、あえて時期が近づいてきてから言い出したのだろうか・・・



私は、がんに対する外科的手術の技術はもちろん、再建術に関しても高いレベルをもち、QOLを重視した治療をしてくれる病院を、候補として2つに絞って探し出していた。

しかし、あくまでも最優先治療は『粒子線治療』であるため、そちらの可能性を確かめるのが先決であった。
そこで、先日メールで問い合わせた病院へ、返事を待っている時間を惜しみ、直接連絡を取ることにした。
すると意外な返事が返ってきた。
なんとその日のうちに、自宅に返事の連絡をしていたというのだ。しかも責任者である医師自らが。しかし残念ながら留守だった為、メッセージのみ残したという。
私は、その医師に直接会って話がしたいことを伝えたが、非常に多忙らしく、アポが取れるのは数日後だということで、一番近い日にセカンドオピニオンとして予約することにした。

そのセカンドオピニオンまで時間があったため、その後どうすべきかいくつかの対策を立ておく必要があった。
妻の2クール目の抗がん剤治療が終わると同時に、すぐに次の治療に移るためには時間がなかったからだ。
「これが駄目だったら、次はこれを」といった、無駄のない対応が必要だと考えていた。

しかし数日後、そんな考えもすぐに無駄に終わることになる。
 

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