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上顎洞癌になった日から。

若くして上顎洞癌(じょうがくどうがん)という難病になってしまった妻をもつ夫の記録です。 この難病を生活の質を保ちつつどう治療し、克服するのか?この体験記を通じて同じ病気になった人への生きるヒントになれればと思います。

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  • 05/05/20:05

貴重な体験。

今回は、このブログを立ち上げた経緯をお話ししたいと思います。

私は妻が『上顎洞癌』(じょうがくどうがん)になるまで、その様な病気があることを知りませんでしたし、その名前を聞いたことすらありませんでした。
そもそも『がん』自体が身近なものではなく、どこか別の世界の出来事のような気さえしていました。
ですから、もし妻が病気にならなければ、その病気について一生知らないままだったかもしれません。

今回この様な事態に見舞われて、それこそ必死で調べました。腫瘍学会などの研究論文から、同じ症状を持つ人の体験談など、わずかでも病気に関係することには目を通し、より良い方法は何か探し続けました。
そしてそれらの調べたことを参考に、何度も悩み考えました。もしかしたら、今まででこんなに頭を使ったことはないかもしれません。
きっと、『がん』に初めて関わることになった人たちは、同じようにしてきたのだと思います。

調べていると、病気に関する資料や治療方法などは案外多く、どの情報が有用であるか絞り込むのには時間を要しましたが、調べること自体は容易でした。
本来『上顎洞癌』は、『がん』全体からすればその患者数はかなり少なく、その他の『がん』と比べると情報量もあまりありません。
しかし、このインターネット全盛時代では、得られない情報の方が少ないくらいです。きっと20年前だったらもっと苦労したに違いありません。

毎日病気について調べていて、いくつか疑問に思うことがありました。
治療法や症例などは数多く検索できるのに対して、この病気の体験談や闘病記などの生の声が非常に少ないのです。
特に『放射線治療』のみで根治に成功した人が、なかなか見当たりません。

これから治療する人にとって、同じ病気の人の体験談は非常に参考になります。
その人がどんな治療をして、どんな経緯を辿り、結果としてどうなったのか・・・
それらは、今後の自分の未来と重ねることができ、その人がもし良い結果を得ることが出来ているなら、これから同じ治療を受ける人にとっては大きな自信と安心になるはずです。

『上顎洞癌』(副鼻腔癌)は顔の『がん』であるため、治療には機能だけではなく美容面でのQOL(生活の質)も強く求められます。
一般的な治療方法は外科的な手術による腫瘍の摘出で、上顎全てと眼球を取り除きます。つまり、およそ顔半分がなくなるに等しい大掛かりな手術をしなくてはなりません。
その後、再建手術により顔の変形を治しますが、眼球に関しては義眼のため視力は戻りません。
また、再建手術によって移植された部分が腫れ、顔が歪みます。しばらくして腫れは落ち着きますが、個人差があるので思ったより腫れが引かず片方だけ盛り上がってしまう人や、逆にへこんでしまう人など様々です。

いずれにせよ完全にもとの状態に戻れることはないと考えてよいでしょう。

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