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上顎洞癌になった日から。

若くして上顎洞癌(じょうがくどうがん)という難病になってしまった妻をもつ夫の記録です。 この難病を生活の質を保ちつつどう治療し、克服するのか?この体験記を通じて同じ病気になった人への生きるヒントになれればと思います。

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  • 05/05/17:45

ことのはじまり。

2009年2月頃、妻が左上奥歯に違和感を感じる。以前から多少の違和感があったようだが、今回は痛みを伴う腫れがあり、近所の歯科病院に行くことにする。
その場では詳しい原因はわからず、とりあえず様々な抗生物質を試していくという治療が始まる。その後通院を続けるが症状は改善する様子もなく、次第に我慢しきれないほど痛みが激しくなり、詳しい検査のため市民病院を紹介される。

初めて市民病院の歯科口腔外科を訪れたのは5月14日のことだった。診察が始まりすぐにその症状が普通ではないことが判明。すぐに詳しい検査のため、CTや生検手術を行うことになる。その後しばらくしてCTフィルムがあがってきた。それには左頬あたりに大きな腫瘍のようなものがあり、それが今回の痛みの原因であることは一目瞭然だった。それを見た妻はかなりのショックを受け、診察後すぐに私に連絡してきた。今の段階ではその腫瘍が良性が悪性か、検査結果が出るまでどんな病気かもわからないとのこと。この時点でガンかもしれない・・・と妻がもらす。


翌日、生検手術の傷跡を消毒するために通院。その際一緒に同伴し、医師から直接詳しい話を聞くことにする。私はそこで初めて実際にCTの画像を見る。そこにはどう見ても普通ではないモノが映し出されており、すぐにただ事ではないと感じる。正直、自分の中でガンの可能性が非常に高いと考えるが、妻を不安にさせないためにも他の病気の可能性を話す。生検による検査結果はすくなくとも一週間はかかるらしく、それまでは特に治療することもできず、ただ待つだけの不安な日々が続くことになった。検査結果が出る前に最悪のことを考えてPETの検査も予約しておく。私はそれからというもの毎日病気について様々な可能性を考え調べる。妻はこの期間が一番精神的にも辛かったようで、その精神的不安から身体にも痛みなどの異常が、以前に増して多く出始める。

5月21日。検査結果が出る前から、念のためにと予約しておいたPET検査を行う。この日に生検結果も出るということで、PET検査が終わり次第市民病院へと急ぐ。
そこで医師から聞かされたのは意外にも『良性』との言葉だった。
妻は素直に喜んでいた。私も喜んだが、心の隅で調べていた事柄とだいぶかけ離れた結果に不安を感じていた。
医師は、またこれからの治療のため詳しい検査をし、それから治療方針を決めるという。
今のところ考えられている治療は、外科手術により腫瘍を摘出する方法で、その際に上顎を丸ごと摘出するため、あわせてその場所を埋め合わせる再建手術も行うという大掛かりなものだった。術後は顔に傷あとも大きく残るうえに変形し、食事もしばらくは出来ず、数ヶ月入院しなければない。外見の美容面、身体的機能面の両方に大きなダメージを残すのもで、とても気軽に同意できるものではなかった。

私は先の検査結果についての不安要素があり、腫瘍専門の施設でもう一度調べたほうが安心できると考えていた。それに、もし外科手術をしなければならないとしても、もっと他によい病院や治療方法があるかもしれない。それらを詳しく調べるためにも、ここでの治療を一旦待ってもらうことにした。
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