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上顎洞癌になった日から。

若くして上顎洞癌(じょうがくどうがん)という難病になってしまった妻をもつ夫の記録です。 この難病を生活の質を保ちつつどう治療し、克服するのか?この体験記を通じて同じ病気になった人への生きるヒントになれればと思います。

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  • 05/18/22:50

貴重な体験。

今回は、このブログを立ち上げた経緯をお話ししたいと思います。

私は妻が『上顎洞癌』(じょうがくどうがん)になるまで、その様な病気があることを知りませんでしたし、その名前を聞いたことすらありませんでした。
そもそも『がん』自体が身近なものではなく、どこか別の世界の出来事のような気さえしていました。
ですから、もし妻が病気にならなければ、その病気について一生知らないままだったかもしれません。

今回この様な事態に見舞われて、それこそ必死で調べました。腫瘍学会などの研究論文から、同じ症状を持つ人の体験談など、わずかでも病気に関係することには目を通し、より良い方法は何か探し続けました。
そしてそれらの調べたことを参考に、何度も悩み考えました。もしかしたら、今まででこんなに頭を使ったことはないかもしれません。
きっと、『がん』に初めて関わることになった人たちは、同じようにしてきたのだと思います。

調べていると、病気に関する資料や治療方法などは案外多く、どの情報が有用であるか絞り込むのには時間を要しましたが、調べること自体は容易でした。
本来『上顎洞癌』は、『がん』全体からすればその患者数はかなり少なく、その他の『がん』と比べると情報量もあまりありません。
しかし、このインターネット全盛時代では、得られない情報の方が少ないくらいです。きっと20年前だったらもっと苦労したに違いありません。

毎日病気について調べていて、いくつか疑問に思うことがありました。
治療法や症例などは数多く検索できるのに対して、この病気の体験談や闘病記などの生の声が非常に少ないのです。
特に『放射線治療』のみで根治に成功した人が、なかなか見当たりません。

これから治療する人にとって、同じ病気の人の体験談は非常に参考になります。
その人がどんな治療をして、どんな経緯を辿り、結果としてどうなったのか・・・
それらは、今後の自分の未来と重ねることができ、その人がもし良い結果を得ることが出来ているなら、これから同じ治療を受ける人にとっては大きな自信と安心になるはずです。

『上顎洞癌』(副鼻腔癌)は顔の『がん』であるため、治療には機能だけではなく美容面でのQOL(生活の質)も強く求められます。
一般的な治療方法は外科的な手術による腫瘍の摘出で、上顎全てと眼球を取り除きます。つまり、およそ顔半分がなくなるに等しい大掛かりな手術をしなくてはなりません。
その後、再建手術により顔の変形を治しますが、眼球に関しては義眼のため視力は戻りません。
また、再建手術によって移植された部分が腫れ、顔が歪みます。しばらくして腫れは落ち着きますが、個人差があるので思ったより腫れが引かず片方だけ盛り上がってしまう人や、逆にへこんでしまう人など様々です。

いずれにせよ完全にもとの状態に戻れることはないと考えてよいでしょう。



もしこれらの外科的手術に対して不満があり、もっと他の治療はないかと考えた場合『放射線治療』による「切らずに治す」という選択肢があります。
特に近年注目されている先進医療として『粒子線治療』があり、これは外科手術と同等かそれ以上の治療成績をあげてきています。
しかし、まだ他の治療法に比べると圧倒的に治療を行ってきた患者数が少なく、治療して数年後のデータが不足しています。

そんな理由から、今回『粒子線』(陽子線)『上顎洞癌』を治療するという貴重とも言うべき体験を、同じ病気になってしまった人への参考として提供しようと考えたのです。
きっと『上顎洞癌』になってから、医者に言われた治療方針は外科手術主体のものだったに違いありません。
『放射線治療』は確実性に欠けるため、根治を目指すならば外科手術をした方が無難であると言われたと思います。
何もわからない状態ならば、その言葉だけを信じ、手術を承諾してしまうでしょう。
もしかすると、大概の人はそうなのかもしれません。
特に大きな専門病院だった場合、専門医が言うのだからそれで間違いないだろうと思うのが普通だと思います。

それでもQOLを最大限維持しつつ治す『放射線治療』への可能性を探りたいという人がいるはずです。
そんな人たちに、私が今一番有効であると考える『粒子線治療』と『超選択的動注化学療法』の併用療法を体験談として伝えたかったのです。
当然ながら、まだ5年、10年先の結果はわかりません。しかし、私は必ず根治すると確信しています。

ただ一つだけ大きな注意点があります。
このブログは体験談として実際の出来事を中心に書いていますが、意見や主張はあくまでも私の主観であるため、それが必ずしも正しいとは限りません。
人それぞれ違った考えがあるように、正解も人によって違うのです。
ですから、ここでは実際の名称や実名は出していません。

このブログを開設してまだ間もないですが、すでに『上顎洞癌』での検索ワード上位にあり、実際にその単語でここに来ている方もいます。
もしかしたら、今まさに「外科手術以外の何かよい治療はないだろうか?」と探している最中の人かもしれません。
そういった人たちの少しでも役に立ち、参考になれればと思っています。


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